
身内に不幸があった際、喪中はがきをどこまで出すべきか、その範囲に悩む方は少なくありません。本記事では、テレビ朝日「Active Choice Project編集部」が、一般的なマナーを基に、喪中はがきを送る範囲の基準を分かりやすく解説します。
大切な家族や親族が亡くなったとき、年賀状を控える旨を伝える「喪中はがき(年賀欠礼状)」。いざ準備を始めると、喪中はがきの対象にどこまでの親族が含まれるのか、迷ってしまうケースは非常に多いです。
特にミドル・シニア層においては、親戚付き合いが広い方も多く、関係性への配慮から悩みが深まる傾向にあります。
本記事では、テレビ朝日「Active Choice Project編集部」が、知っておくべき親族の定義や一般的な礼儀作法に基づき、喪中はがきを出す範囲の基準を解説します。大人の品格を保ちながら、心穏やかに新年を迎えるための知識を身につけましょう。
なぜ迷う?喪中はがきの範囲に悩まされる背景

身内に不幸があった際、喪中はがきをどこまでの範囲で出すべきか迷う背景には、単なるマナーの知識不足だけでなく、現代の家族関係や社会の変化に伴う3つの論理的な理由があります。
1. 喪に服す範囲に一律のルールが存在しないため
現代の日本において、誰が亡くなったときに何日間喪に服し、どの範囲まで喪中はがきを出すべきかという点について、一律の義務やルールは定められていません。
そのため、個人の判断や地域の慣習に委ねられており、基準が曖昧になっていることが悩む大きな原因です。
2. 民法上の「親族」の範囲と日常の付き合いに隔たりがあるため
日本の民法では「親族」の範囲が明確に定められていますが、民法上の親族と実際に年賀状のやり取りを行うような近しい親族の範囲には、大きなギャップがあるケースが多いです。
法的な基準と喪中はがきの範囲は決してイコールではないため、どこで線を引くべきか迷いが生じます。
3. 配偶者側の親族(姻族)との関係性の深さが個々に異なるため
配偶者の親(義理の父母)や義理の兄弟姉妹が亡くなった場合、自分自身にとっても親族にあたるものの、日頃の付き合いの深さは家庭によって全く異なります。
一律の基準に当てはめようとすると、「どこまで配慮すべきか」という葛藤が生まれ、出すかどうかの判断を難しくさせています。
明確な基準を知る!喪中はがきを送る範囲の決定法

喪中はがきを出す範囲に迷った際は、法的な基準である「親等(しんとう)」の考え方と、一般的なマナーを組み合わせることで、最適な判断に近づくことができます。具体的な基準と手順を解説します。
1. 民法が定める親族の定義と「親等」の基本構造
喪中はがきの範囲を考える上で、最も確実な土台となるのが民法に定められた「親等」という概念です。法的な「親族」の範囲は、以下の3つと定められています[参考・出典一覧No.1]。
- 6親等内の血族(自身の血縁関係にある親族)
- 配偶者
- 3親等内の姻族(配偶者の血縁関係にある親族)
親等とは、親族関係の親近度を表す単位であり、自分を中心に世代を1つ経るごとに1つずつ増えていきます。数字が小さいほど、近親者であることを示します。
※親族関係の法的な詳細や手続きについては、管轄の公的窓口(法務局や自治体の相談窓口等)へご確認ください。
2. 喪中はがきを出す一般的な基準は「2親等内の親族」
日本の一般的な葬送マナーにおいて、喪中はがきを出す基準は「2親等内の親族が亡くなった場合」です。これに該当する親族は以下の通りです。
- 1親等:父母、配偶者の父母(義父・義母)、子
- 2親等:祖父母、配偶者の祖父母、兄弟姉妹、配偶者の兄弟姉妹、孫
つまり、自分または配偶者の「両親」「祖父母」「兄弟姉妹」「子ども」が亡くなった場合は、喪中はがきを出して年賀状を控えるのが基本とされています。
3. 3親等以上の親族(叔父・叔母など)が亡くなった場合の判断
3親等にあたる叔父(伯父)、叔母(伯母)、甥、姪などが亡くなった場合は、原則として喪中はがきを出す必要はありません。自身は喪中とはせず、通常通り年賀状を出します。
ただし、3親等以上の親族であっても、同居していた場合や、実の親同然に深い付き合いがあり、本人が喪に服したいと強く望む場合は、喪中はがきを出すという選択をする場合もあります。
4. 喪中はがきを「誰に送るか」という送付先の範囲
喪中はがきを出す範囲が決まったら、次に「誰に向けて送るか」を決定します。基本的には、毎年年賀状のやり取りをしているすべての人(親戚、友人など)に対して送ります。
亡くなった事実を知らせていない仕事関係の相手の場合、個人でなく会社として年賀状を出すのであれば、喪中はがきを送る必要はありません。会社には「喪中」という概念がないので、例年通り年賀状を出してもマナー違反ではありません。ただし、個人的に年賀状のやりとりをするほどの関係性であれば、仕事関係者でも喪中はがきを出すのが一般的です。
【比較・一覧】関係性別・喪中はがき送付の判断基準一覧

亡くなった親族との関係性ごとに、「喪中はがきを出すべきかどうか」の基準を以下の表に整理しました。読者の皆様が直面している状況に合わせた判断ができるよう、お役立てください。
| 亡くなった親族の関係性(親等) | 喪中はがきを出す基準 / 対応のポイント |
| 配偶者・父母・子ども (1親等) | 【必ず出す】 自身が最も深く喪に服す対象であり、速やかに手配を行います。 |
| 義理の父母(配偶者の親) (1親等) | 【必ず出す】 同居・別居を問わず、1親等の親族であるため喪中はがきを出します。 |
| 祖父母・兄弟姉妹 (2親等) | 【出すのが一般的】 別居している場合でも、2親等までは喪中とするのが基本的なマナーです。 |
| 義理の祖父母・兄弟姉妹 (2親等) | 【出すのが一般的】 配偶者の家族の意向や、これまでの付き合いの深さを考慮して判断します。 |
| 叔父・叔母・伯父・伯母 (3親等) | 【原則として出さない】 同居していない限りは通常通り年賀状を出します。 |
| 同居していた3親等以上の親族 (3親等以上) | 【出す】 同居して生計を共にしていた場合は、喪に服すのが適切です。 |
※実際に喪中はがきを出すべきかどうかは、故人との関係性によって大きく異なります。判断に迷った場合は、葬儀社などの専門窓口へご確認ください。
故人を偲ぶ心を大切に。Active Choice Project編集部が提案する「大人の流儀」

テレビ朝日「Active Choice Project編集部」の視点
マナーや基準を知ることは大切ですが、それ以上に重要なのは、形だけに縛られない「大人の気配り」ではないでしょうか。
喪中はがきを出す範囲の最終的な決定は、機械的な親等の計算だけでなく、「故人との心の距離感」や「お相手への思いやり」を最優先にすべきではないでしょうか。
たとえば、3親等である叔父や叔母が亡くなった場合、人生の恩人と言えるような関係であれば、喪に服し挨拶を控えることが大人の誠実さと言えます。
伝統的なマナーを深く理解した上で、自分自身の心と向き合い、お相手との関係性を見極めて柔軟に選択することこそが、上質な大人の流儀だと思います。
【Q&A】喪中はがきの範囲に関するよくある疑問をすっきり解決

喪中はがきを準備するにあたり、多くの方が抱きがちな具体的な疑問や不安について回答します。
Q1:夫婦連名で年賀状を出している場合、妻の祖父母が亡くなった際も喪中はがきを出すべきですか?
A1:喪中はがきを出すのが一般的です。妻の祖父母は2親等の姻族にあたるため、夫婦共通の喪中として連名で喪中はがきを送ります。
ただし、夫側の仕事関係の相手などで、妻の祖父母の逝去が関係しない宛先に対しては、夫単独の名義で通常通り年賀状を出すという使い分けを行うことも選択肢のひとつです。
Q2:喪中はがきを出す範囲を巡って親族間で意見が分かれた場合、どうすれば良いですか?
A2:同居する家族や配偶者と話し合い、最終的には「家族ごとの判断」を尊重することが重要です。
親族であっても、それぞれの家庭によって付き合いの深さやマナーに対する考え方は異なります。周囲の意見を参考にしつつも、ご家族の意思を統一して決定することを私たちは提案します。
次の一歩を踏み出すために~心穏やかな新年を迎える準備を~

喪中はがきをどこまで出すかという問題は、ご自身の法的な親族の範囲を確認し、故人との関係性を整理することで、自ずと答えが見えてくるはずです。マナーの基本である「2親等内」を念頭に置きつつ、故人との関係やお相手への配慮を込めて送付先を選定してください。
また、喪中はがきは、相手が年賀状の準備を始める前の11月中旬から12月初旬までに届くよう手配するのがマナーです。早めに準備を進めることで、慌てることなく、心穏やかに故人を偲ぶ時間を確保することができるでしょう。
テレビ朝日「Active Choice Project編集部」は、あなたの新しい一歩を応援しています。
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執筆の根拠となった参考・出典一覧
- [参考・出典一覧No.1]
- 厚生労働省「親族の範囲について 」
- URL:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/10/dl/s1027-8b.pdf


































