SF映画のものじゃない!AIスマートグラスは日常的に使えるものに

SF映画では“未来の道具”の象徴だったAIスマートグラス。
長い間、それはスクリーンの中だけの存在で、私たちの日常からは少し遠いものでした。 しかし今年のCESでは、そのSF映画の世界が、ぐっと現実に近づいており、多くの企業がAIスマートグラス(AIを搭載した最新のスマートグラス(ARグラス))に取り組んでいました。

ここ数年、展示の中心は「AI」でした。そんな中、2026年の今年は、AIがもはや特別なものではなく、空気や電子翻訳機能やナビゲーション、カメラ撮影など、スマホでできることが眼鏡ひとつで完結する未来が提案されています。これまでの展示には「いかにもカメラがついています」という見た目のものや、ケーブルがぶら下がった大掛かりなタイプが多く見られました。「機能はすごいけれど、街中でかけるのはちょっと……」「サイボーグのような見た目は恥ずかしい」と感じてしまうのが本音ではないでしょうか?
今回のCESではそんなネガティブな気持ちを解決しながら、日常生活をアップデートするAIスマートグラスを発見!「SFの道具」といった従来のイメージを覆し、ファッションとテクノロジーを融合させた「かけたくなる」最新AIスマートグラス。
“言葉や地理を気にせず、もっと遠くへ、もっと自由に動ける”そんな未来がもう目の前に!? 特徴的だった1社をピックアップしました。

「マトリックス」の世界が現実に? 言葉の壁を超える「Rokid Glasses」

このAgeTech領域を力強くリードしているのが、アメリカを拠点とする世界最大規模のNPO「AARP(全今回ご紹介するのは、AIスマートグラスを開発する「Rokid(ロキド)」です。

一見すると、少し太めのフレームの「何の変哲もない黒縁メガネ」にしか見えませんよね? しかし、これをかけた瞬間、目の前の景色が一変するのです。
この眼鏡、レンズ部分が透明なスクリーンのようになっており、緑色の文字や画像が実際の視界に重なって浮かび上がります。すべてが緑色で表示されるその光景は、まるで映画『マトリックス』の世界!

左:一見何の変哲もない眼鏡だが、レンズ部分に透明のスクリーン 右:緑色の文字や画像が実際の視界に重なって浮かぶ(写真は展示用のもの)

特にAgeTechの視点で感動したのは、「翻訳」と「ナビゲーション」機能です。 相手が話した言葉がリアルタイムでテキスト化され、レンズ越しに翻訳されて表示されます。実際に試してみると、相手の顔を見ながら字幕を読むような感覚で会話ができ、スマホの翻訳アプリを交互に見せ合うようなタイムラグがありません。

また、目的地を設定すれば、Googleマップのようなルート案内が目の前の道路上に矢印などで表示されます。これさえあれば、知らない街でスマホの画面と睨めっこして歩く必要もなく、顔を上げてスムーズに移動ができるのです。
担当者は「スマホなど他の画面を見ることなく、シームレスな体験を実現することを目指しました」と語ります。まさに、デジタルの情報を現実世界に自然に溶け込ませる、次世代のインターフェースです。

このテクノロジーは明日の選択肢をどう変えるのか?

未知の世界をナビゲートしてくれる、どこでも眼鏡

歳を重ねると定住志向が強まると思いきや、2024年に海外に行ったアクティブチョイス世代は約463万人*。健康と経済的な条件以外で、未知の世界に飛び立つ際の二大ハードルとなるのが「言語」と「地理」への不安ではないでしょうか。

この眼鏡は、かけるだけでその両方をサポートしてくれます。

  • 「言葉が通じないから」と諦めていた国へ行ける
  • スマホの地図に必死にならず、美しい街並みを楽しめる
  • 現地の言葉がわからなくても、ローカルな交流に挑戦できる

「行きたいけれど、言語や移動手段などのハードルが高い」と躊躇していた場所への旅を、テクノロジーが後押ししてくれます。眼鏡ひとつで世界中のどこへでも、まるで地元の庭のように自由に歩き回れる。そんな「冒険する定年後」を叶えるツールになるかもしれません。

*法務省「出入国管理統計」第10表:住所地別 年齢・性別 出国日本人から50代以上の人数を算出

詳細はこちら
Rokid :https://global.rokid.com/ 

Text 小林里帆

小林 里帆
株式会社 博報堂
データやコミュニケーションの手法を駆使しながらクライアントの事業成長の支援を行っています。