ご自身の血糖値がどのような状態かご存知ですか?健康診断の時に測ったり、糖尿病患者の方が意識する数値というイメージが一般的かと思います。しかし、今や血糖値はウェルビーイングを測るための身近な指標として活用する動きが出てきています。今回のCESで血糖値を通じて自分の体の状態をより深く理解し、習慣を改善するための装置が登場していましたのでご紹介します。
血糖値でウェルビーイングを24時間モニタリング
アメリカのヘルスケア企業アボット社が開発した「LINGO」は、糖尿病の診断を受けていない18歳以上を対象とした、24時間血糖値を測り続けるデバイス(CGM)。糖尿病向けのものとは異なり、処方箋の必要もなくECサイトやドラッグストアで購入できます。現在はアメリカとイギリスのみで発売されています。
写真のようにデバイスを腕の後ろにつけると、24時間血糖値を測定し、データを分単位でスマートフォンに送信します。なんか痛そう、、と思ったのですが、「装着には細いフィラメントが使われますが、痛みや違和感はほとんどなく、最長14日間、入浴時もそのまま使用可能です。水泳もできますよ」と体に負担のない設計になっているそうです。独自の指標「Lingo Count」で血糖値を点数化して今日のパフォーマンスを分析してくれます。単なるデータの羅列ではなく「今の自分は適切に管理できているか」を直感的に把握できる点が特徴です。さらに、食事内容を記録することで、「私の場合、パンを2枚食べると急激に数値が上がる」といった、個人ごとの傾向に基づいた具体的な提案を受け取ることもできます。
ABBOTT LINGOを腕の後ろに装着


ここまできて、なんで健康な人が、血糖値を隅々までモニターする必要があるの?って思いませんか?さらにアボット社の方に聞いてみました。
「安定した数値の維持は、質の高い休息や将来的な代謝の健康の維持にも寄与することが期待されています。何より、データに基づいた納得感のある意思決定を重ねることは、自分の健康を自分でコントロールできているという感覚、つまり自己効力感を高めることにも繋がっていくのです。」 さらに最近の研究によると、血糖値は最新の研究(2025年)では、血糖値によって引き起こされる「代謝状態の知覚」が気分を左右する*ことがわかってきているそうです。身体本体の健康状態だけでなく、気持ちにまで影響を及ぼす指標となりつつあります。
取材班も現地で体験。会場内は賑やかなため耳栓をして15分の入眠へ。寝不足もあってか?あっという間に眠ってしまいました。 将来的にはこの技術を応用して、医療現場での麻酔薬の使用量を減らす技術も開発中とのこと。「無理せず安全に睡眠を整える」、そんな新しい選択肢が生まれようとしています。
血糖値が「リスク指標」から「日々のパフォーマンス指標」へ:
血糖値は病気のバロメーターとなっていましたが、近い将来「今日のパフォーマンスを最大化するためのスコア」へと意味合いが変っていくのかもしれません。
体内モニタリングが示す、新たなウェルビーイングの形:
まだ特別なデバイスが必要ですが、身体に大きな負担をかけずに体内の状態を把握することが可能となりました。これが示すことは、今の身体の状態に即した健康管理ができるということです。
例えば以下のようなことが、負担をかけずにできるようになります──
- 何が自分にあっているかをデータで把握する
- データを基にしたパーソナルなアドバイスが受けられる
- 健康診断ごとではなく、食べるものや行動を微調整できる
今は専門家のアドバイスを聞く以外は、自力でネットや書籍で調べるくらいですが、本当に自分に合っているものが何かを把握することは正直言って難しい状況です。体内モニタリングは今後、自分に何があっていて、どのような健康習慣がベストなのか、をリアルタイムに読み解くテクノロジーとなっていくでしょう。
▶詳細はこちら
ABBOTT LINGO (※日本では未入荷):https://www.hellolingo.com/
Text 安並まりや

安並 まりや
株式会社 博報堂
新大人研
博報堂という広告会社で、新大人研という50代以上の生活者に関する調査・研究やマーケティング支援を行っています。

































