12月より始まった連載「明日の選択肢を変えるAgeTech!」では、アクティブチョイス世代の明日が変わるかもしれないAgeTech(高齢化に関わる健康、生活、社会の課題をテクノロジーで解決する商品やサービスの総称)の事例をご紹介してきました。
今月より世界最大のテクノロジーの祭典「CES2026」から、世界最先端のAgeTechをお届けします!


世界最大のテクノロジーの祭典「CES」が、AgeTechをメガトレンドに指名

毎年1月、米・ラスベガスで開催される「CES」は、世界中の最先端テクノロジーと革新的なアイデアが集まる、世界で最もエネルギッシュなイベントの一つです。2026年の今年は、昨年を上回る約14.8万人が来場し、約4,100社が出展し、世界中が熱い視線を送っています。

ここ数年、展示の中心は「AI」でした。しかし2026年の今年は、AIがもはや特別なものではなく、空気や電気のように「あって当たり前の前提技術(Intelligent Transformation)」へと進化したフェーズに入っています。

そんな中、主催団体のCTA(全米民生技術協会)が発表した今年の3大メガトレンドに、AI(IntelligentTransformation)、エンジニアテック(Engineering Tomorrow)と並ぶ形で「Longevity(AgeTech:エイジテック)」が選ばれました。

領域を牽引する「AARP AgeTech Collaborative」
―テクノロジーによってもたらされる未来のヴィジョンを示すことは、明日を生きる希望となる―

このAgeTech領域を力強くリードしているのが、アメリカを拠点とする世界最大規模のNPO「AARP(全米退職者協会)」です。50歳以上の会員約3,800万人を抱えるAARPは、単なる親睦団体ではなく、健康や経済的安定を守るためのロビー活動や情報提供を行う、非常に影響力のある組織です。

彼らが主宰する「AgeTech Collaborative」は、高齢社会の課題をテクノロジーで解決するためのイノベーションを生み出す、世界最大級の共同体です。世界中のスタートアップから大企業まで、700社以上が参加し、「あらゆる人の加齢をより楽なものにする」というミッションのために、日々新しいテクノロジーを生み出しています 。

スタートアップ部門の責任者であるアメリア・ヘイ氏は、次のように語ります。 「私たちのミッションは『あらゆる人の加齢をより楽なものにすること』」。今回のCESでは、2019年以来で最大級となるブースを構え、22社の精鋭スタートアップを紹介。その3分の1以上が、最新のAIを活用した驚きのテクノロジーを披露しました。「加齢に伴う課題を把握している私たちだからこそ、テクノロジーがもたらす未来のヴィジョンを見せることが、皆さんにとっての『希望』になると信じています」とヘイ氏。

今回CESで展示されていたAgeTechの取材を通じて、大きく分けて3つの潮流が見えてきました。

この3つのキーワードに沿って、全10回にわたり、私たちのこれからの人生を彩る「明日を変えるAgeTech」をご紹介していきます。

Keyword1:尊厳を守るテック(Integrity Tech)

普通のズボンに見えるパワードスーツや、黒縁眼鏡にしか見えないARグラスなど、「他人からどう見えるかが気になる」という利用者の心情にこだわり、使う人の尊厳を守る技術。老いの象徴となりがちアイテムを、テクノロジーとデザインの力で、使うことがかっこいい、むしろ使いたいと思えるものに昇華しています。

  • 第1回:着るだけでパワーアップ!おしゃれパワースーツ
  • 第2回:転倒防止からトレーニングまで、歩みを科学する最新テック
  • 第3回:眼鏡をかけるだけで、経路ナビから翻訳までを叶えるAR眼鏡

Keyword2:お家でパーソナルテック(Personal Home Tech)

自宅にいながら、鏡やトイレなどの身近なデバイスで生体データを計測し、自分専用の健康アドバイスが受けられる仕組み。24時間いつでも自分の状態が把握できたり、医療機関にデータが共有できたり、自分の健康データを常に身近で測定・管理できるように。

  • 第4回:測るだけ、映すだけで健康管理できる!ロンジェビティガジェット最前線
  • 第5回:最適な環境づくりから脳波ハックまで、最新スリープテック
  • 第6回:尿から始まる健康管理
  • 第7回:パフォーマンスを高める血糖値コントロールテック

Keyword3:やりたいを一緒に叶えるテック(Will oriented Tech)

単なる課題解決にとどまらず、個人の「意思」や「やりたいこと」を尊重し、伴走してくれるテクノロジー。
具体的にはコンパニオンロボット(人との会話や交流に重きを置いたロボット)や、身体的な課題があってもやりたいことを叶えてくれるデバイスをご紹介します。

  • 第8回:人の暮らしを助ける人型ロボット
  • 第9回:日本導入予定のコンパニオンロボット
  • 第10回:顔の動きでジェット機まで動かせる?未来のコントローラー

これから始まるワクワクする未来の話に、ぜひご期待ください!

詳細はこちら
CES2026: https://www.ces.tech/
AARP: https://www.aarp.org/
AgeTech Collaborative from AARP: https://AgeTechcollaborative.org/

Text 安並まりや

安並 まりや
株式会社 博報堂
新大人研
博報堂という広告会社で、新大人研という50代以上の生活者に関する調査・研究やマーケティング支援を行っています。